インタビュー 日本語版

絵の具であそぼう番外編 参加レポート

投稿日:2019年5月29日 更新日:

絵の具であそぼう番外編 参加レポート

5 ⽉18 ⽇(⼟)に「絵の具であそぼう番外編」が東京都豊島区の「TUENER GALLERY」で開催され、私はこのイベントに参加させてもらいました。
いつもは⼦どもが対象に、ももレンジャーこと新宅さんが主催しているイベントですが、今回は特別に⼤⼈も⼦どもも⼀緒になって絵の具で遊びました。

会場は普段作品を展⽰しているホワイトキューブ。30 畳ほどの床⼀⾯に⽩い紙が敷かれ、ピンク、⻩⾊、緑、⻘、⽩の絵の具が⽤意されていました。
イベントが始まり、まずは注意事項。そして、「⼀回ももレンジャーがやってみせるねー」そう⾔って新宅さんは⼿にピンクの絵の具をつけ、真っ⽩い紙にペタペタと絵の具を塗っていきました。それを⾒つめる⼦どもの顔には少しの驚きと胸の⾼まりがにじんでいました。

そしていよいよ制作の時間に。参加者はみんな思い思いに絵の具が⼊ったカップを持って、最初は少し躊躇しながら、でも次第に楽しそうに⽩い紙を絵の具で染めていきました。好きな動物を描く⼈、⼿形をつける⼈、絵の具の⾊の重なりを楽しむ⼈…。抱えた絵の具からそれぞれの世界が紙の上に創造されていく様⼦は、⼼躍る魅⼒的なものでした。みんなが作った⾊が紙全体に広がる頃、参加者はみんな頭から⾜の先まで絵の具だらけになり、満⾯の笑みを浮かべていました。

床の⽩が⾊で埋まってきた頃、新宅さんはみんなを絵の中⼼に集めて、まるで何か重⼤な秘密でも打ち明けるかのように、囁きました。「実は…、この⽩い壁にも絵を描いていいんだって!」すると、参加者から「かきたい!かきたい!」の声。ギャラリーのむき出しの⽩い壁に、思いっきり絵の具を塗って、絵を描いていきました。そこにはもう、最初の頃のためらいはなく、⽩い壁はあっという間にカラフルになりました。

イベント中、ある⼥の⼦が、壁にスイカの絵を描き、その絵の前で刷⽑を持った腕を振りかぶりました。私がどうしたのだろう?と思って⾒ていると、次の瞬間、ハケを勢いよく振り下ろしてスイカの絵の上から下に⼀本の線を引きました。そして彼⼥の満⾜げな顔を⾒て、それが「スイカ割り」であったことに気づかされました。なんて素敵な発想のパフォーマンスを⽣み出すのだろうと感動しました。

そして、時間も忘れて絵の具にまみれ、ギャラリー全体が⾊に飲み込まれてきた頃、お⼟産タイムへとプログラムは移っていきました。⼀⼈⼀枚、キャンバスが配られ、余った絵の具で⾊を塗り、描いた床の絵をちぎって貼ったりもして、⼀枚の絵を完成させました。まるで今⽇の体験をギュッと凝縮したかのような作品。きっとこの作品はみんなの家に飾られて、少し元気が無くなった時には、今⽇の楽しかった思い出をふと想起させ、また⽇々を頑張る助けになってくれるんじゃないかなと思います。

私が疑問に思って、新宅さんに今⽇作った作品の⾏⽅を尋ねました。すると作品は処分してしまうとのこと。思わず「もったいない」と⾔った私に「みんなで共有した時間だけで充分なんだよ」と新宅さんは仰いました。
最後は絵の具だらけのギャラリーの壁に、上から⽩い塗料を塗って元どおりに。作品は消えてしまったけど、ギャラリーを彩っていた⾊と笑顔の残像は⼼に深く刻まれました。

壁に絵を描くこと、⼿や⾜に絵の具をつけて⾊を塗ること、服を絵の具まみれにしちゃうこと。それは普段「してはいけないこと」としてストッパーがかけられている部分です。
でも、そのストッパーが外され、巧拙で評価されない創作を体験することほど、⼦どもにとって、アートの⾃由さ、豊かさを受容し得る環境はないでしょう。

朗らかな⾊彩と弾ける笑い声に包まれた会場で過ごした時間は、私にとっても忘れられないものになりました。そして改めて、新宅さんのパワーと、その活動の素晴らしさを感じた体験でした。


2019年5月18日

文・大森春歌

-インタビュー, 日本語版


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